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退職金大幅削減問題での団体交渉速報(2)

2013年1月21日の第1回団体交渉においては,当局は一貫して「国家公務員に準じて減額する」の一点張りでしたが,組合から,新潟大学での例にあるような早期退職による退職金の保全と継続雇用による措置を例示し,代償措置の検討を主張した結果,「何らかの提案を検討する」として再度交渉を行うことになりました.
そして3日後の1月24日に第2回交渉が行われました.しかし・・・,

「早期退職後に再雇用するという事例について,例外的なことは導入しない.
新しい不公平を導入することはやるべきではない.」

組合から代償措置というものについて大学側として考えはないのか,例えば,今年度末の定年退職よりわずかに早く,当局が「1月末」とする就業規則の不利益変更より前に退職し,従来の退職手当規程によって計算された退職金を満額受け取って退職した場合についても3月末までの再雇用をし,さらに4月1日以降の再雇用についても不利益扱いしないという扱いができないのかという問題提起について,以下のように導入しないと説明しました.

(理事説明) 3月31日まで働いていただいて定年,再雇用の対象になるということがあったとします.その時に複数の方の中で,ある方は誕生日が1月で,ある方は2月,3月であるということになると1月の末に仮にお二人が辞めて再雇用の対象になるという風になったとしても,一方の方は誕生日が過ぎていますので定年退職の扱いになり,誕生日がまだ来てない方は,定年退職に達しないので同様の支給率にならない,ということになりますと,新しい不公平をうみだすということになる.

「新しく別途代償措置は考えない.これからも考えるつもりはない.」
「退職金削減の効果を減殺することは適当ではない」

私たち組合は,上記の提起は組合側からの代償措置提案ではなく他大学で示された代償措置の例の一つであるに過ぎず,代償措置は当然当局側から提起されるべきものであることを主張し,代償措置の検討結果を求めました.しかし,当局側は,代償措置の検討そのものを拒否しました.

(理事説明) 公務員と同様の引き下げを実施することはやむをえないという風に考えておりますので,それ自体を緩和するという措置を取るということ自体が適当であるとは私どもは考えません.そういう意味で前回も代償措置は考えておりません,と申し上げました.

私達は,全くのゼロ回答に至った当局の判断と,教職員の待遇軽視の姿勢を厳しく糾弾しました.
結局,当局は,組合が求めた必要性,相当性に関するデータ提出すら拒否しました.しかも,何らの代償措置も提示されませんでした.組合は当局に対し,今回の一連の交渉は「不誠実交渉」であり,就業規則の不利益変更に関する労働契約法違反であることを告げました.そして,引き続き代償措置を提示するよう求めましたが当局側の態度は「代償措置を行うつもりはない」に終始したので,組合側は繰り返し「代償措置の提案をいつまででも待つ」と言いつつ,この日の交渉の席を立ちました.

ところが,その後,当局側から本組合に対して代償措置に関する何らの提案もなされないうちに,1月29日役員会決定によって就業規則不利益変更,2月1日施行が強行されました.上述の通り私たち組合は交渉を決裂させたわけではなく,あくまでも代償措置を含む実質的な交渉を求めていたのであり,上記経緯を無視した当局側の専断による退職金大幅削減を内容とする就業規則不利益変更は労働契約法第10条所定の要件を満たしておらず,同法第9条に抵触するものとして違法・無効と判断されねばなりません.
なお,東北大学職員組合は,この件に関し2月5日に抗議声明を発表しました.


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